企業内のキャリア・アドバイザーの役割について / 江島 尚文

2011年8月 9日
私は住友商事のキャリア・アドバイザー(以下アドバイザーと呼ぶ)の一人として同じ部門で働く仲間との面談を通じてキャリア支援をしています。当社では2007年4月にキャリア・アドバイザー制度が導入されましたが、現在私を含め全社で18人のベテラン社員がそれぞれの所属する部門においてアドバイザーとして活動しています。アドバイザーの役割は、社員一人一人のキャリア自律の支援と部下育成など組織マネジメントに対するサポートの両面であり、"すべての社員が元気に活き活きと持てる能力と自分らしさを最大限に発揮できる職場環境の実現"という目標に向けて後押し的役割を担っています。

アドバイザーとして社員との面談では、常に"社員の立場に立って支援をする"姿勢で臨んでいます。社員一人一人を尊重しキャリアに関するあらゆる相談に真摯に耳を傾けながら社員の視点に立った支援をしています。社員の立場に立つということは組織と対峙することではありません。むしろ組織の中で社員が自分の多様な可能性に気づき、前向きな行動変容に繋げていくことを目指しており、組織との共生を大切にしています。社員が自発的に組織へ対応することを促したり、本人の了解を得たうえでアドバイザーが組織への橋渡しをすることにより、社員と組織とのコミュニケーションをサポートしています。

アドバイザー活動の重要な課題の一つは、社員のキャリア自律の支援を如何に組織の活性化に結び付けるか、という点です。社員のキャリア相談に対する支援は、社員の悩みや心の問題を解決するだけではなく、組織の活性化に欠かせない支援です。組織の中で社員がキャリア開発し、自分のスキルや能力を高めていくためには、組織の側からの積極的な人材育成と活用、育成的異動ローテーションの実施、職場におけるチームワークの醸成などのサポートが不可欠です。アドバイザーは社員だけではなく、守秘義務の順守という基本方針のもと、組織にもアプローチするとともに、人事制度、ライフキャリアやワークライフバランス、メンタルヘルスなどの諸施策の運用面のサポートも行い、社員と組織がWIN-WINの関係を築くよう働きかける役割も担っています。

組織や社会が変わっていく中で、社員の抱えるキャリアに関する様々な悩みや課題も多様化してきており、今後アドバイザー活動をするうえで、そうした社員のニーズに対し、社員の視点でより効果的な支援をしていきたいと思います。アドバイザー自身が多様な領域における知識と専門性を深め支援の質的向上を図るとともに、社員との信頼関係を構築し、社員の抱える課題への早期対応やメンタル問題の予防等を目的とした定期的訪問面談、事務職・キャリア採用者・新入社員等との面談、さらには階層別研修やキャリア研修受講者との受講後の面談などを積極的に実施していきたいと思います。こうした面談に関連し、現場の上司や人事部とのコミュニケーションと連携を深め、組織の活性化に結び付けていきたいと思います。

住友商事株式会社 メディア・ライフスタイル事業部門
キャリア・アドバイザー 江島尚文